"とびんにゃ"と"いっそん"の島
以前、ソルトウォーターフライフィッシングが日本で行われ始めた頃、
"ソルトウォーター・フライロッダーズ・クラブ"と言う名のクラブがありました。
80年代後半、そのメンバーの何人かで「クリスマス島に行こう!」と言った話が持ち上がり、
僕を含めた数名が手を挙げたのですが、その中の一人だったUさんは、その後もすっかりフラットの釣りに目覚めてしまい・・
日本でフラットのFFが可能な場所をあちこち模索した挙句「奄美大島」に目を付けたのはそれから数年後のこと。
かれこれ30年が経ち、僕が初めての奄美大島に到着した時、
何の前触れもなく、彼が空港で出迎えてくれた事は本当に心強く思えました。
当時はあまり食指が動かなかったFFターゲットとしてのミナミクロダイでしたが、
クロダイのサイトフィッシングにどっぷりとハマっている今、
最近何かと話題に上る奄美大島へ行きたくなり・・それが先週実現したのです。
メンバーは7名の大所帯。取りあえず島グルメ"鶏飯"を楽しみながら作戦会議です。
僕が受けた奄美大島の印象は、いわゆる楽園的な南の島の持つイメージと違い、
どちらかと言うと昭和歌謡のBGMが似合う感じ。
それはけっして悪い意味ではなく、取って付けた感が漂う観光地と違い、
随所にリアルな生活感溢れる、言ってみれば僕好みの風景が楽しめる島。
町から少し外れると、もちろんそこには"田中一村"が描いた亜熱帯の植生が広がり、
いたるところに咲く南国の花々、それに集まる昆虫、そして見たこともない鳥たちが出迎えてくれます。
良いところですね~
Uさんが案内してくれたフラットに立ち、
早々にタックルセットをして波打ち際に目をやると、
尾鰭を露わに夢中に何かを捕食する何匹かのクロダイが‥
今回僕が奄美大島のフラット用に選んだタックルは"SAGE690-4SALT-HD"とSAGESpectrumLT
ラインはもちろん"Rio Flats-ProWF6F"
気持ちの準備も出来ず、焦る気持ちもおさえきれないままキャストします。
ミナミクロダイはこちらのクロダイと違ってやっぱりおおらか。
アプローチさえ決まれば、かなりの確率でフライを咥えてくれます。
ほとんどの魚体はキビレの様にシルバーなものが多く、
尾鰭の切れ込みが若干深いからか、よりスピーディーにファイトする印象。
フッキング率が高いと言われていたので、口や歯の形状が違うのでは?
と、口の中をじっくりと覗きこんで見るとそれは変わらずクロダイのもの。
フッキングの良さは魚の大胆さから来るものでしょうか?
くりっとした目が大きく、魚体の割には可愛く見える魚相ですね。
初日から目的のクロダイが釣れて、気分よくホテル近くの居酒屋へ。
そこで出された「とびんにゃ」と呼ばれるマガキ貝の塩茹でがなんとも黒糖焼酎にあいますね~
奄美大島には泥底、砂底のフラット、またはリーフや岩礁で覆われた浅場などの様々なポイントがあり、
それもこの島の釣りの魅力ですが、中でも印象的だったのはマングローブから流れ出る川の河口に広がるフラット。
水が引くと無数のシオマネキや3~4センチほどのシャコがうごめいていて、
いかにも魚の絶好の餌場になりそうな場所です。
遠征に出かけるともう一日、もう一日と毎回きりがないですが、
今回は特にあと一週間は欲しいとつくづく思ってしまいました。
ご参加いただきました皆様、ご案内いただきましたUさん、お疲れ様&ありがとうございました。
近い将来また同じメンバーで行きましょうね!
by watchett2
| 2017-10-22 18:43
| flyfishing